課題 >> 4. 「混沌の商人」 を読んでください。

混沌の商人

混沌の商人」と呼ばれる人々がいます。 これは、環境を非常に不穏であるかのように見せたがっている人々です。 彼らは、環境をもっと脅威に見えるようにすれば、何らかの利益を得られると感じています。 

その明らかな例が新聞に載っています。 そこには良いニュース記事などありません。 新聞社の連中は、私たちの顔にその環境を押しつけてきて、「ほら! 危険だ。 ほら! とても手に負えないぞ。 ほら! 脅威が迫ってるぞ」と言うのです。 彼らはひどく脅威的なニュースを切れ切れに報道するだけでなく、それを扇情的にし、実際よりひどいものにします。 彼らの意図を証明するものとして、これ以上のものが必要でしょうか? これが混沌の商人です。 環境を脅威的にすることができればできるほど、収入が上がるのです。 こうした「混沌の商人」が君臨する社会で、良いニュースを切望するなんて無謀というものです。 

混沌の商人たちを支持する人たちが、既得権益を持つ人々の中に大勢います。 

現在の司法制度で、凶悪犯を捕まえて刑務所に放り込み、彼をいっそう反社会的にし、いっそう凶悪にしたら、社会へと彼を釈放するのは、偶然だとは思わないでください。 犯罪が増えれば増えるほど、もっと多くの警官が必要とされるのです。 

こういった類いの企ては、この社会において際立って目に付きます。 新聞記者や政治家だけではありません。個々の人々もまた、あちこちでこの種のことに携わっているのです。 

生涯をかけてプロの「混沌の商人」として過ごす人たちも大勢います。とにかく周囲の者みんなを死ぬほど心配させているのです。 これを行う人々の割合は、4人に1人にまでなります。 例えばある主婦は、自分の力が行き届く範囲で混沌の商人として活動しています。彼女は自分の夫について、「ヘンリーを心配させておけば、私の言いなりになる」と考えます。 彼女は、混乱と動揺をまき散らさなければならないという考えに立って、活動するのです。 しかしそう言いながらも、「なぜヘンリーは出世しないのかしら?」と懸念します。 当然ながら、彼女が彼の状態をおかしくしているのです。 

新聞は人を憂うつにさせる効果を持つことがあります。
それらの大部分が悪いニュースを扱っているために、一般に広がる陰うつさをもたらします。
人は悪いニュースを持ち歩き、実際には実に穏やかな自分の環境について、否定的に歪められた考えを持つこともあります。

けれども実際のところはこうです。環境は決して、誰かがそう思わせているほど危険ではありません。 その代わりに、膨大な数の人々と、途方もない額のお金によって危険な環境がつくり出されています。 事実、1960年代、合衆国の国家予算の内のかなりの割合が核戦争のために費やされました。 しかし、もし彼らがその脅威をつくりださなかったら、そんな予算は存在しなかったはずです。 恐怖をつくるためにお金が費やされ、その恐怖を支えるのにもせっせとお金が費やされていたのです。 

動揺の大きさによって収入や資金が充当される人たち、または大衆の興味を得る人たちにとって、平和な環境をつくることは都合の良いことではありません。 

環境を落ち着かせるような影響力

平和や穏やかな環境をもたらす傾向があるどのようなものでも、不穏な環境を後押ししている既得権益を持つ団体や人々から抵抗を受けます。 

ひとつの地域でサイエントロジーが発展するにつれ、環境はより穏やかになっていきます。 人々の冒険心がなくなるわけではなく、穏やかになるのです。 言い換えると、その環境の中に潜む、敵対的で、手の届かない、また触れることもできないような脅威が減じていくのです。 自分自身と他の人、そして人生について前よりもよく知って、状況についてももっとしっかり把握するようになれば、人は環境の中でトラブルに遭うことが少なくなります。 それがたとえわずかな減少でも、減ったことに変わりはありません。

サイエントロジーのことをほんの少ししか聞いたことがなくても、その人は自分の環境の中で動揺することが以前よりも少なくなっていきます。 人は環境によって脅やかされることが少なくなると、元気を取り戻すようになります。 無気力になる度合いが少なくなっていきます。 人生に対してもっと多くのことができると考えるようになります。 そしてもう少し遠くまで、手を伸ばすことができるようになります。こうして、自分の身近な環境を落ち着かせるような影響力を働かせることができるのです。 

サイエントロジーが発展するにつれ、そうした環境をますます平穏なものにし、状況をますますうまく処理できるようになる人々がどんどん生み出されるでしょう。 処理されていないものだけが混沌としています。 サイエントロジーが発展すると、結果として環境の脅威が次第になくなっていきます。 この手に負えないほど威圧的な環境も、次第におとなしくなっていくでしょう。 人々もだんだん恐れることがなくなっていきます。 いろんな問題を考え出してそこから利益を得るのではなく、実際に存在する問題を処理する機会がだんだんと増えることでしょう。 それは、それまでとは違った社会になるでしょう。 

けれども、混沌の商人は環境を落ち着かせるような影響力を嫌います。 彼らは環境の中にあるかく乱を減らすどのようなものとも戦います。 

例えば、ある妻は自分の夫を完全に手玉に取っています。 彼女は夫を朝、昼、夜と心配させ、動揺させています。 

もし今、その夫が環境に穏やかさをもたらす何らかの活動に参加したとしたら、彼女から反撃を食らうことになるでしょう。 もし夫が動揺することが少なくなると、彼は今までより妻にコントロールされなくなるでしょう。 妻は当然、自分の夫を落ち着かせているものと戦うことでしょう。 

しかし、かく乱と混沌は、真実の前には消え去ります。 この宇宙を絶えず不穏な状態にしているのは、嘘なのです。 社会に真実を導き入れれば、動揺のより少ない、より穏やかな環境が生み出されます。したがって、混沌の商人がこの社会から詐取することも少なくなります。 

悪いニュース、混乱や混沌を中継したり、提供したり、伝えたりすることを職業にする人々。 「商人」とは本来、物品を売買して利益を得る人のこと。 そこから転じて、好ましくない特定の活動に携わって利益を得ている人を否定的なニュアンスで表現するために、「商人」という言葉を用いる場合がある。 「商人」という言い方はやや古い言い方で、現在では実際にこの職業をさすよりは、ある種の軽蔑的な表現として用いられる。