課題 >> 20. 「TR 3」 のセクションを読んでください。

コミュニケーション・トレーニング・ドリル

番号:TR 3

名称:質問に対して答えを得る

目的:横道にそらされても、質問に対するひとつの正確な答えを得る技能を身に付けます。

質問をしても答えを得られなかったことがこれまでにありましたか? コミュニケーション・サイクルが不完全で宙に浮いたままになっていると、これが動揺を引き起こすことがあります。

社会的な状況、あるいはその他の状況では、質問に対する答えを得て、コミュニケーション・サイクルを完了させるということがとても重要になります。 あなたは、このドリルによってその能力を身に付けることができます。

指示:「魚は泳ぎますか?」、あるいは「鳥は飛びますか?」

位置:生徒とコーチは互いに向かい合い、心地好い距離を保って座ります。

トレーニングでの強調点:生徒は、ひと区切りの時間の中で、ひとつ質問を尋ね、その質問の答えにアクノレッジし、そこでそれを終了します。 生徒が、横道にそれて、指示を変えてしまわないようにすること。

生徒は自分が尋ねた質問の答えを得なかったり、全く同じ質問を繰り返さなかったり、コーチによって脱線させられてQ&Aした場合には、不合格となります。

Q&A とは、「Question and Answer(質問と答え)」の短縮形です。 それは、人の質問に対する答えを得ないこと、何かを完了し損なうこと、または意図されている行動の進路からそれることを意味します。 例:質問:「鳥は飛びますか?」 答え:「鳥は好きではありません。」 質問:「どうしてですか?」 答え:「だって鳥は汚いから。」 これがQ&Aです。それは、もともとの質問に対して答えが得られないまま、その質問が途絶え、その質問をした人はそこからそれてしまいました。 この人は、「Q&Aした」と言えます。

質問が繰り返されるたびに、論理的かつ純粋には、その質問は時間の中のある瞬間に存在し、 現時点 において、それ自体の意図をもって言葉として発せられます。

生徒が、ただ質問を何度も繰り返すだけの機械になっている場合には、そこに意図は存在していません。 ですから、人が質問を繰り返す場合には、意図を伴って質問が現時点で表現されていなければなりません。 質問が常に現時点において発せられている場合には、何度も何度も繰り返しても何も問題はないでしょう。 新たな意図を持たずに質問を何度も何度も繰り返している場合には、 骨の折れるものになってしまいます。

TR 3

決まり文句:コーチは「始め」「それまで」を、これ以前のTRと同じように使います。 コーチは、「始め」と言った後で、必ずしも生徒の質問に答えなくてはならないわけではありませんが、生徒を混乱させるために、その質問の本当の答えではない、コメントのような答えをしても構いません。 コーチは頻繁に、生徒が実際に尋ねる質問に答えるべきです。 例:

生徒:「魚は泳ぎますか?」

コーチ:「はい。」

生徒:「いいですね。」

その生徒をQ&Aに引き込もうとしたり、混乱させようとしたりする行為は、答える回数よりも少なめにします。 例:

生徒:「魚は泳ぎますか?」

コーチ:「お腹すいてない?」

生徒:「ええ。」

コーチ:「不合格。」

質問に対する答えが得られない場合は、その質問に対する答えが得られるまで質問を繰り返さなければなりません。 質問とアクノレッジメント以外の言葉は何であれ不合格となります。 必要のない質問の繰り返しも不合格となります。 下手な質問の伝達(例えば、意図が欠如している場合)も不合格となります。 下手なアクノレッジメントも不合格です。 Q&Aも(例にある通り)不合格となります。 生徒が動揺したり、混乱した場合も不合格となります。 次の質問を発するまでの コミュニケーション・ラグ が長くなってしまった場合も不合格となります。

相手の言うことを中断してしまうようなアクノレッジメントや、早過ぎるアクノレッジメントも不合格となります。 アクノレッジメントがない(あるいはアクノレッジメントにはっきりしたコミュニケーション・ラグを伴う)場合も不合格となります。 コーチからの言葉で、その質問に対する答えや、「始め」「不合格」「いいですね」あるいは「それまで」以外のどのような言葉も、生徒には何の影響も及ぼしません。生徒はただ、質問を再び繰り返すだけです。

「始め」「不合格」「いいですね」そして「それまで」という言葉は、生徒を混乱させたり、罠にはめたりするために使ってはいけません。 それ以外の言葉であれば、あらゆる言葉を使うことができます。 コーチは、コーチの内面に関する言葉、例えば「今、ある認識があったんです」というようなものは使うべきではありません。 コーチの 「脇道にそらそうとする」言葉はすべて、コーチではなく、生徒に関係したものであるべきです。それによって、生徒を狼狽させたり、コントロールを失わせたり、生徒の行っていることを見失わせるようなものでなくてはなりません。 生徒がしなくてはならないことは、指示とアクノレッジメントだけを使って、どのようなことがあろうとドリルを続けることです。 生徒が上記以外のことをしたら、それは不合格となり、コーチはそれを告げるべきです。

質問に対する答えが脇道にそらされたにもかかわらず、生徒が一貫して自分の質問に対する答えを得ることができるようになった時に、合格が与えられます。

今現在の時間のことで、観察されるとほぼ同時に過去になっていく時間。 この用語は、今現在ある環境をおおまかにさして用いる。

やり遂げるのに苦労する。多大な労力を要する。

質問を尋ねてから、質問された人がその特定の質問に答えるまでの時間の長さ。