課題 >> 18. 「TR 2」 のセクションを読んでください。

コミュニケーション・トレーニング・ドリル

番号:TR 2

名称:アクノレッジメント

「アクノレッジメント」とは、相手が言ったことや行為が、注目され、理解され、受け止められたということを知らせるために、言ったり行ったりすることです。

目的:相手の発言や意見、コメントに対して、すべて完全に、また最終的にアクノレッジする技能を得ます。そのアクノレッジメントで、その相手はそれが完全に受け取られ、理解され、もうそれ以上繰り返したり続ける必要がないことに満足感を得るのです。

アクノレッジメントは、コミュニケーション・サイクルの中でのコントロールを左右する要素です。 それは、あらゆる状況のどのようなコミュニケーション・サイクルにも当てはまります。 コントロールの公式とは、スタート、チェンジ、ストップです。 仮に何かをスタートでき、それからそれをチェンジし、ストップできるのであれば、それをコントロールしていることになります。 アクノレッジメントは「ストップ」です。 ですから、相手のコミュニケーションに適切なやり方でアクノレッジすれば、その人はコミュニケーションをコントロールできるのです。

相手に「続けてください」または「話し続けてください」と言うのであれば、あなたはその人にアクノレッジをしていないことになるでしょう。 完璧なアクノレッジメントとは、「あなたのコミュニケーションを聞きました」ということだけをコミュニケートするものです。 それは、ただ自分に対する相手のコミュニケーションを受け取ったということをはっきりと示しています。 言葉がコミュニケーション・サイクルを終わらせるのではなく、意図が終わらせるのです。 人生において、自分がアクノレッジされていると知ることは、実際、非常に治癒的な効果があります。

指示:コーチは『不思議の国のアリス』のセリフを、「と○○は言った」という部分を省いて読み、生徒はそれを完全にアクノレッジします。 生徒は「いいですね」「結構です」「はい」「わかりました」など、コミュニケーションに対してふさわしいと思えるものならば、どのようなアクノレッジをしても構いません。それによって、そこに座っている人に、それが聞こえたということを実際に納得させるようにします。 コーチは、自分が本当にアクノレッジされなかったと感じたら、その台詞を繰り返して読みます。

TR 2

位置:生徒とコーチは互いに向かい合い、心地好い距離(約1メートル)を保って座ります。

トレーニングでの強調点:コーチの言ったことが最終的に完全に受け取られ理解されたので、もう繰り返す必要はないとコーチが納得するように、生徒はアクノレッジしなければなりません。

生徒は、コミュニケーション・サイクルがその時点で完全に終わることを意図し、実際そこで終わらせることによって、これを行います。 コーチをがっかりさせたり、動揺させたりしなければ、生徒はこれを行うのに何をしても構いません。 生徒は、コーチのコミュニケーションに適切な方法でアクノレッジして、コーチに生徒がそれを受け取ったことを納得させます。

時々生徒に、コーチが何を言ったかを尋ねなさい。 アクノレッジメントが強過ぎたり、弱過ぎたりしないようにしなさい。 最初は、アクノレッジメントを届けるために生徒には何でもやらせなさい。それから、むらなくできるようにしなさい。 アクノレッジメントとはストップであり、新しいコミュニケーションのサイクルの始まりでもなければ、他の人が話し続けるよう促すものでもないことを教えなさい。また、アクノレッジメントは、相手のコミュニケーションにふさわしいものでなくてはならないことを教えなさい。 生徒が、「いいですね」、「ありがとう」と言うのが、あたかも唯一のアクノレッジメントであるかのように、ロボットのように使う習慣を付けてはいけません。

このドリルにおけるもうひとつのポイントは、アクノレッジメントを伝えるのに失敗したり、アクノレッジメントによって人を止めるのに失敗したり、過剰なアクノレッジメントによって人をうんざりさせてしまったりすることがあり得る、ということを生徒に教えることです。

決まり文句:コーチは「始め」と言い、本からセリフを読み上げます。コーチは、アクノレッジメントが不適切だと感じた時はいつでも、「不合格」と言います。 コーチは「不合格」と言った後に同じセリフを繰り返して読みます。 「それまで」という言葉は、話し合いのためにドリルを中断したり、単にドリルを終了する場合に使われます。 話し合いのためにドリルを中断した場合は、もう一度「始め」と言います。

このドリルは、生徒が、相手の発言や意見、コメントに対して、その相手が自分のアクノレッジメントが完全に受け入れられ、理解され、もうそれ以上繰り返したり続けたりする必要がないことに満足感を得るよう、完全に、また最終的にアクノレッジできるようになった時にのみ、合格が与えられます。