課題 >> 1. 「サード・パーティーの法則」 を読んでください。

サード・パーティーの法則

個人間そして国家間の暴力と対立が、長い間、私たちとともに存在してきました。その原因は完全に謎のままにされてきました。しかし遂に、サイエントロジーで、その謎は解かれたのです。

もし カルデア が消滅し、 バビロン が塵と化し、エジプトが 荒れ地となり、シチリア島の160の繁栄した都市が西暦元年以前に略奪されて廃虚となり、それ以降ほとんど砂漠のままであるのなら、そして、人間のあらゆる業績、知恵、好意、意図にもかかわらず、このようなことが起こったのであれば、日没に暗闇が続くように次のような結論が続きます ― 人間のすべての行いと振舞いについて、人間の知らない何かがあるに違いない。 またこの何かは、人間の大望やチャンスが現実のものとなる遥か以前に、それらを破壊してしまうほど致命的で、広く浸透しているに違いない。

こういったことは、人間が思いもよらなかった自然法則であることでしょう。

そして、致命的で、未知で、すべての活動を包含しているこれらの状態に対する解答となる法則 ― そういった法則が、どうやらあるらしいのです。

その法則は、以下のように思われます。

すべての口論において、対立が存在するためには、未知の サード・パーティー (第三者)が存在していなくてはならない。

または、

口論が起こるには、ふたりの潜在的な対立者の間で、未知のサード・パーティーが活発に口論を生じさせようとしていなくてはならない。

または、

争いが起こるには二者が必要だと一般には信じられているが、実際に対立が起こるためにはサード・パーティーが存在し、争いを展開させなくてはならない。

対立している二者の争いを見ることは非常に簡単です。 彼らは非常に目に付きます。 より見えにくく怪しまれにくいのは、サード・パーティーが存在し、活発に口論を促していたということです。

通常は怪しまれない、「物分かりのよい」サード・パーティー、争いへの関わりを一切否定する傍観者こそ、最初に対立をもたらした張本人です。

時には一方だけの支持者であるように見える、隠れたサード・パーティーが扇動者として見付かるはずです。

これは人生の多くの領域において役立つ法則です。

これこそが戦争の原因なのです。

人は、ふたりがお互いに罵(ののし)り合っているのを目にし、殴り合っているのを目にします。 周りには誰もいません。 ですからもちろん、彼らが「争いを起こした」ことになります。 しかし、サード・パーティーが存在していたのです。

こういったことをさかのぼっていくと、信じられないようなデータに出合います。 それが厄介な点なのです。 信じられないようなデータはあまりに簡単に退けられてしまいます。 物事を隠す方法のひとつは、それを信じられないようなものにすることです。

事務員Aは配達人Bとずっと言い争っていました。 彼らはカッとなり、真っ向から対立します。 お互いに相手を非難します。 どちらも正しくないので、その口論は解決しません。その本当の原因が見付かっていないからです。

そのような事例を徹底的に調べます。 信じられないようなことがわかります。 事務員Aの妻が配達人Bと関係を持っていて、それぞれに対して、他方に関する不満を同様に語っていたのです。

農場経営者Jと牧場経営者Kとの間では、数年間対立が続いており、互いに相手を激しく非難してきました。 その争いには明確かつ論理的な理由があります。 にもかかわらず、それは続いており解決に至っていません。 綿密な調査をしてみると、銀行家Lが見付かります。彼はその争いにおける双方の損失のおかげで、争いを続けさせている間に、それぞれの側にお金を貸し付けることができました。そして、双方が負ければ彼らの土地を丸ごと手に入れるつもりでいたのです。

その規模はさらに大きくなります。 1917年、革命勢力とロシア政府は対立していました。 理由はあまりにたくさんあり、人々の注意はそれらに簡単に引き付けられてしまいます。 第二次世界大戦で没収されたドイツの公式国家文書から初めて明らかにされたことですが、ドイツが革命を促し、それに火をつけるよう レーニン に資金を供与し、明かりを消した列車で彼をロシアに送り込みさえしていたのです!

「個人的」な口論、グループの対立、国内での戦いをざっと調べて、注意深く探してみれば、サード・パーティーが見付かります。そのサード・パーティーは、戦っている当事者双方から全く怪しまれず、また怪しまれたとしても、「そんなばかな」と、人は耳を貸しません。 それでも、証拠書類による慎重な裏付けが、最終的にそれが真実であることを確認するのです。

この データ は途方もなく役立ちます。

夫婦間の口論で、その相談にのる人にとっての正しい取り組み方は、双方に注意深くサード・パーティーを探し出させることです。 彼らは、最初は多くの「理由」を思い浮かべるかもしれません。 それらの理由ビーイング(人々)ではありません。 サード・パーティー、つまり実際の『ビーイング』を探しているのです。 双方がサード・パーティーを見付け、それを立証する時、それが口論の終わりとなるのです。

時には口論している二者が突然、非難の対象となるひとりのビーイングを選ぶことがあります。 これによって口論は終結します。 時には、それは正しいビーイングではなく、その後さらに多くの口論が起こります。

お互いに激しく争っているふたつの国は、実際のサード・パーティーをふるいにかけ、突き止めるために、それぞれ他方との話し合いを求めるべきです。 もし注意を向ければ、必ずサード・パーティーを、しかも正しいサード・パーティーを見付けることができます なぜなら、それは実際に存在するからです。

この件に関して、恐らく、多くの技術的な取り組み方を開発し、概略をまとめることもできるでしょう。

それに関連する奇妙な 現象 が数多くあります。 正確に突き止められたサード・パーティーは、通常どちらからも全く挑まれることがなく、ただ避けられているのです。

夫婦間の対立は珍しいことではありません。 誰が対立を引き起こしたのかを双方が本当に突き止めれば、その夫婦関係を救うことができます。 それは(結婚生活全体を通して)何人もいたかもしれませんが、一度にひとりだけです。

個人と組織の間の口論は、ほとんどの場合、個人かグループのサード・パーティーによってもたらされます。 その組織と個人は、話し合いの場を持ち、両者が与えられてきたすべてのデータを互いに提示し合うことで、サード・パーティーを見付けるべきです。

暴徒も政府も同様に、誰に何を言われたのか、双方の代表にお互いに提示させることができれば、合意を取り戻すことができます。

こういった話し合いは、非難の応酬、事情、罵り合いだけを扱う傾向にありました。 彼らが成功するためには、実際のビーイングだけを扱わなければなりません。

この理論は、対立の原因となる悪い状態はないということも主張しているように思えるかもしれません。 そうした状態はあります。 しかし、それらは通常、サード・パーティーが対立を煽っているのではない限り、話し合いによって修復することのできるものです。

歴史において、私たちは非常に不愉快な見解を過去に対して持っています。 というのも、それがふたりの対立者による非難の応酬でもって語られ、サード・パーティーは突き止められていないからです。

戦争の「根底にある原因」は「隠れた扇動者」と理解されるべきです。

対立の本当の扇動者が潜伏したままでなければ、すべての対立は解決することができます。

これが、古代人も現代人も同様に知らなかった自然法則です。

このことを知らずに、「いくつもの理由」へと誤って導かれてきたため、いくつもの文明が滅亡してきたのです。

これは知っておくだけの価値があります。

人が平和をもたらそうと努めている、どのような状況においても、利用する価値があるのです。

ペルシャ湾の奥、バビロンの南に位置する地方の古代名。 カルデア人は紀元前600年代にバビロンを征服し、カルデア帝国を建設した( 紀元前625–538年 )。 カルデアは勢力を拡大し、文明世界の中心地となったが、紀元前539年にペルシア人に征服された。

古代バビロニア帝国の首都。バビロニアは西アジア南部(現在のイラク)に位置し、紀元前2100年から689年にかけて栄えた。 バビロンはこの時代の西アジアにおける最も重要な都市であり、壮麗な寺院や宮殿で有名だった。

侵食され、植物がほとんど生えていない、耕作不能な土地から成る広大な地域。

偽りの報告によって、ふたりの人、ひとりとひとつのグループ、あるいはグループと他のグループとの間にトラブルを生み出す人のこと。

ウラディミール・イリイチ・レーニン(1870–1924年)。1917年のロシア共産主義革命の指導者。力と恐怖を通じて、その後1917年から1924年までソビエト連邦の独裁者として君臨した。

情報や知識を構成するひとつの部分。知られている何か。

知覚され、観察される物事の表れ。何らかの感覚によって、あるいは心によって認識される出来事あるいは変化。主に事実や実際の出来事をさし、その原因を観察したり、それについての科学的な説明が述べられている場合に用いる。